 
        
            ベルギー交換留学報告
本 彩花さん
人文学部 人文学科
留学期間:2024年9月~2025年8月
留学先:カトリック大学ルーヴェン
留学先大学について
カトリック大学ルーヴェンは、ベルギーおよび低地諸国で最大規模の大学であり、設立は1425年と長い歴史を誇ります。私が通ったメインキャンパスはルーヴェン市内にありますが、他にもブリュッセルやアントワープなど、ベルギー国内の多数の都市にキャンパスを持っています。ヨーロッパ諸国や世界各地からの留学生が全体の約25%を占めており、大学全体に多文化共生の精神と国際的な雰囲気が根付いていました。
また、学内にはJapanologyを専門に学んでいる学生と日本人留学生のコミュニティもありました。日本人留学生は想像していたより多く、20人以上が在籍しており、困ったときにはお互いに助け合える環境がありました。さらに、学生に親身になって接してくれる教授や、多様な学生団体の存在もあって、フレンドリーで安心できる雰囲気が整っていました。そのため、学業や生活面で不安を抱えることがあっても、すぐに相談できる場があり、落ち着いて留学に専念することができました。

学習面について
授業言語は主にオランダ語ですが、留学生向けに英語開講の授業も数多く用意されており、自分の興味や関心に合わせて柔軟に履修を組むことができました。学部生向けの授業であっても内容のレベルは高く、毎回の予習・復習が欠かせませんでした。意欲的な学生が多く在籍していたため、常に刺激を受けながら学ぶことができ、ノートを共有したりレポートを添削し合ったりと、互いに協力しながら学習を進められたことも良い経験でした。
また、自分の所属学部以外の授業も履修可能で、幅広い分野の知識に触れる機会がありました。ただし、一つ一つの授業の負担は大きいため、履修しすぎると負担が大きくなります。そのため、単位にはなりませんが、聴講という形を選択するのも有効だと感じました。授業の規模は科目によって異なりますが、いずれも学生に発言を求める場面が多く、インタラクティブな授業形態が特徴的でした。私は履修しませんでしたが、希望すればオランダ語の授業を受けることも可能です。
勉強に集中できる環境も非常に整っており、大学の図書館とは別に、夜22時まで利用できる学生向けのコミュニティスペースや、朝8時から深夜24時まで開いている自習室もありました。特に試験前には友人たちとともに自習室にこもって勉強に励むことが多く、学習意欲を高める環境が整っていると実感しました。
最も苦労した点は、専門分野に関する英語の専門用語でした。日本語で理解している内容であっても、英語表現になると理解が難しくなることが多々ありました。試験は筆記試験と口頭試問の両方が課される場合があり、筆記試験は記述中心で負担は大きかったものの、全てを英語で表現する経験は自分にとって大きな挑戦であり、成長につながったと感じています。
生活について
ルーヴェンは比較的小さな町であり、端から端まで移動しても徒歩で40〜50分ほどの距離ですが、生活に必要なお店や施設は一通り揃っており、基本的には町の中だけで生活が完結します。特に中心部にある Oude Markt は数多くのバーが並ぶエリアであり、週末には友人たちとよく出かけて交流を深める場となりました。
留学生活の初めにはバディ制度が用意されており、生活や学業に関する不安を気軽に相談することができました。街の公用語はオランダ語で、最初は何を話しているのか分からず不安を感じることもありましたが、多くの場所では英語も通じるため、次第にその環境を楽しめるようになりました。
また、私はブリュッセルにあるラーメン店でアルバイトをしており、オランダ語・フランス語・英語・日本語が入り混じる環境で働くという初めての経験をしました。多言語環境でのコミュニケーションは大変ではありましたが、とても貴重で有意義な体験となりました。
留学の開始時や帰国時には、各種の事務手続きが必要となり、オランダ語の書類や複雑な手順に戸惑うこともありました。しかし周囲には同じように留学している学生が多く、情報を共有し助け合える環境が整っていたため、大きな困難なく乗り越えることができました。
留学で得たこと
この11か月間はあまりにも濃密で、得られたものを数え上げればきりがありません。その中でも最も大きな財産は、かけがえのない人間関係を築けたことだと感じています。性別や年齢、国籍を超えて本当に多様な人々と関わることができ、その中で心から信頼でき、自分らしくいられる友人に出会うことができました。
英語と日本語の両方で、楽しいことから辛いことまでさまざまな経験を言葉にし、互いに語り合う中で、自分自身のことも相手のこともより深く理解できるようになりました。どんな話題でも評価や批判を恐れることなく意見を交わし、ときには朝まで語り合った時間は、私にとってかけがえのないものです。
こうした経験は留学でなければ得られなかったものとは限りませんが、決して容易なことではなく、限られた1年間という期間の中でそうした仲間や環境に巡り合えたことは、何よりの成果であり宝物だと思います。彼らとの対話を通じて、私は前向きなエネルギーを多く受け取り、今後も考え続けながら行動していくための大きな糧を得ることができました。
留学が終わってもこの関係が終わることはなく、これからも互いに良い影響を与え合いながら成長し続けていきたいと考えています。

後輩へのアドバイス
これから留学を考えている後輩に伝えたいのは、「迷ったら進んでみること」「オープンマインドを忘れないこと」、そして「変化を楽しむこと」です。留学は大きな決断であり、準備の段階から乗り越えなければならないことも多くあります。しかし、少しでも心が揺れているのなら、ぜひ挑戦してほしいと思います。進んだ先では、未来の自分が必ず道を切り開いていきますし、実際にどうにかなるものです。
その過程で大きな支えになるのが「オープンマインド」です。いつもより少しだけ人に歩み寄ること、いつもより少しだけ勇気を持って行動すること。それだけで物事がうまく進む場面が多くあります。
また、環境や人間関係、自分の気持ちなど、留学生活では常に変化が訪れます。その変化に敏感になり、言語化しても、しなくても、自分のものとしてしっかり感じ取ること。そしてその変化そのものを楽しむことが大切です。留学に行ったからといってすべてが自動的にレベルアップするわけではありません。けれど、自分に起きたプラスの変化もマイナスの変化も、それを自覚した瞬間に成長のきっかけへと変わります。だからこそ、すべての経験を前向きに楽しんでほしいと思います。
知の森基金へのメッセージ
留学に際しまして、ご指導を賜りました先生方、国際交流推進室や学務関係の皆様、そして知の森基金留学奨学金に携わる全ての方々に、心より御礼申し上げます。多大なるご支援をいただき、誠にありがとうございました。
円安という厳しい状況の中で、ヨーロッパに1年間留学することは金銭的に大きな負担を伴いました。しかし、この奨学金のおかげで経済的な不安を最小限に抑えることができ、学業・生活のどちらにおいても納得のいく形で留学生活を送ることができました。今回いただいたご支援の意義を深く自覚し、今後の学びや進路にしっかりと活かしていく所存です。

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